第二十二話「史子との再会」


トリトンを助けたブラックジャック達は

今度はイギリスに向かおうとした。

しかしドイツ国際空港にて

予想外の足止めをくらっていた。

「出国はできん!」

「何故です?!」

空港の係の人にブラックジャックは

少し怒った口調で聞いた。

ブラックジャックが持っている医療器具が

原因だ。

メスなどが危険と判断されたのだ。

やれやれという顔でブラックジャックは

椅子に座った。

「まあ今、ハイジャックとか怖いからね」

ブラックジャックの隣に座る未来が

苦笑いをした。

「私がそんな人間に見えるのかい?」

「そ、それは…」

試すようなブラックジャックの笑顔に

未来は慌てた。

「まだ時間かかるならあっちで

パフェ食べに行きましょうよ!」

「あんまりはしゃぎすぎるなよ?

今だってどこから狙われているか

分からないんだぞ?」

パフェを想像したピノコを諭すように

ブラックジャックは言った。

「大丈夫。

ちぇんちぇーはピノコが守ってあげるから」

「私も!」

ピノコと未来は真剣な表情で

空港内をきょろきょろと見渡した。

「全く…」

ブラックジャックはそんな二人が嬉しかったし
愛おしかった。

「ブラックジャック先生?!」

空港のロビーに綺麗な女の人の声がしたのは

その時だった。

「外科医の西川史子です。

この前の手術、お見事でした」

史子はそう言いながら三人に歩み寄った。

「あ、医師会の会長の息子さんを助けた時の…」

「ちぇんちぇーの周りは美人ばっかり!」

未来も思い出し、ピノコはむくれた。

ブラックジャックが史子に

出国の許可がおりないと説明すると

史子は先程の係員と話した。

「先生、出国できますよ。

私と一緒にあの飛行機で!」

そう言って嬉しそうに

史子が指差した方向には

真っ白な飛行機があった。


to be continued