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最終話

「トウマ君!」

「トウマ!」

ナツメとアキノリがトウマを呼んだが

トウマは力尽きようとしていた。

「そんな…」

未来も分離したエンマ大王、カイラ、ぬらりひょんも

呆然と見ることしかできない。

もはや治癒術では助からないのは

明らかだった。

「ナツメさん、アキノリ君…

こんな僕と…友達になってくれて…

ありがとう…」

トウマは眠るように目を閉じた。

「トウマ!!」

ナツメとアキノリが叫んだ。

するとそこに鬼まろが三匹やって来る。

「死ぬな、トウマ。

俺達の命をやるから」

「いつかまた遊ぼうぜ」

「いえ〜い」

なんと鬼まろが命を差し出し

トウマを生き返らせた。

「トウマ!よかった…」

ナツメは今度はうれし涙を流す。

「トウマ、ナツメ、アキノリ…

頑張ったな。

さすがあいつの娘と仲間だ」

エンマ大王が三人を

こっそりとねぎらった。


エンマ大王、カイラ、ぬらりひょん

そして未来は

陸橋で雪を見ていた。

「雪か」

「美しいですね」

「人間界で雪を見るのは久しぶりだな〜」

未来が手を伸ばすと

その指に触れた雪が溶けた。

「エンマ、すまなかった。

妖魔界はお前に返そう」

カイラは心から謝罪した。

しかしエンマ大王は笑顔だった。

「フフ…いや

妖魔界はこのままお前がまとめていけ。

お前が正式な妖魔界の王だ」

「何?どういうつもりだ?」

カイラが…

いや、ぬらりひょんも未来も驚いた。

「俺にはやることができた。

そのやるべきことが終わった時

お前がダメな王だったなら

大王の座を奪い返すまでだ」

「エンマ…」

カイラは少し戸惑ったが

「大王様のやるべきこと

このぬらりもついていきます」

「私もです!

どこまでもお供いたします」

ぬらりひょんと未来は跪く。

「そうか。わかった。

ついてくるがいい。

少し長旅になるがな」

「「御意」」

二人の声がきれいに重なった。

「行くぞ、未来」

エンマ大王は左手を差しだすと

「はい!」

未来は右手でエンマ大王の大きな手を握った。

そして未来は空いた手で

ぬらりひょんの手もつなぐ。

ぬらりひょんは少し照れていた。

「じゃあ頼んだぞ、カイラ」

「ああ、わかった。

お前が帰ってくるまで

妖魔界は私が守る!」

カイラの誓いを聞くと

未来達三人は手をつないだまま

空高く飛んだ。


END

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