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第六話

未来とぬらりひょんは

崖の上から

エンマ大王とカイラの死闘を

見守っていた。

「ぬらり…本当は助けたいでしょう?」

「無論だ。

だが…大王様はそれを望んでいない」

ぬらりひょんは杖をぎゅっと握り

未来は思わずその手に

自分の手を重ねた。

「未来?…ありがとう」

ぬらりひょんは一瞬驚いたが微笑み

二人は手を繋いだ。


戦いは長く続いた。

しかし

「目を覚ませ!カイラ!!」

エンマ大王は叫ぶと

その姿を変えた。

第三の目が開き

紫の妖気がエンマ大王を包む。

「覚醒した?」

未来がつぶやくと

「大王様が真の力を解放したのだ。

私も初めて見た」

ぬらりひょんが説明をする。

そしてエンマ大王は勝った。

カイラは「殺せ!」と言うが

エンマ大王はカイラに微笑んだ。

「剣を交えてお前の心がわかった

一緒に来い、カイラ」

「何?!どういうことだ?」

「フドウ雷鳴剣はおそらく

俺一人では引き抜くことはできん。

できたとしても

剣は俺を支配するかもしれない。

その時は

お前とぬらりと未来で

俺を討つのだ」

エンマ大王からは

並々ならぬ覚悟を感じられた。

「そんな…大王様…」

「俺はこの世界が…

人間も妖怪も好きなんだ」

戸惑う未来にエンマ大王は笑った。

「だから守りたい。

もちろん未来も、な」

エンマ大王は歩き始めた。

フドウ雷鳴剣が待つ場所へ。


to be continued

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