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空亡を追うためエンマ大王は旅立ち

ぬらりひょんと未来も

お供をすることになった。

「今日は宿に泊まろうぜ」

旅が数日続いたある日の夕方

エンマ大王はそう提案した。

しかし宿は予約でいっぱいで

なんとか一部屋だけ空いていた。

「わあ!布団が敷かれてますね!」

浴場から帰ってきた未来は

並んで敷かれてある三組の布団を見て

はしゃいだ。

「確かに嬉しいな」

「けどお前ら

俺の隣でイチャイチャするなよ?」

エンマ大王が笑う。

未来とぬらりひょんは恋人同士だった。

「そ、そのようなことは…」

「もう、エンマ大王ったら」

慌てて二人は否定した。


そして夜。

右から未来、ぬらりひょん、エンマ大王と

並んで寝ることになった。

「ん?」

夜中になり未来は目を覚ました。

背中にぬくもりを感じる。

ぬらりひょんが未来を

背中から抱きしめているのだ。

「ぬらり…」

「静かに」

未来の口をぬらりひょんは

手で押さえた。

それだけなのに未来は

ドキドキが止まらない。

(エンマ大王に気づかれたら…)

だけど久しぶりの抱擁に

安心もした。

「…未来」

耳元で名前を呼ばれたと思ったら

押さえられている口は解放された。

かと思ったら

押さえていた手で未来の顔を

ぬらりひょんは自分の方に向かせて

そっとキスをした。

「ぬらり…」

「わかっている。

もう何もしない」

そしてしばらく抱きあった二人は

別々の布団で休んだ。


翌朝。

「よし、出発するか!

それにしても昨夜はよく寝たな。

ぬらりと未来も眠れたか?」

「え?」

「もちろんです」

未来は昨夜のことを思い出して

恥ずかしかったが

ぬらりひょんは平然と答えた。

(しれっと答えてる)

未来は自分だけ照れて悔しかったが

ぬらりひょんとずっと一緒にいたいと

思うのだった。

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