何か言わないと

みんなでかくれんぼをすることになった。

「ミク、見つけたよ」

鬼はスナフキンで

茂みの陰に隠れているミクに

そう声をかけた。

「スナフキン、見つけるのが上手だね」

「そうかな?」

二人がそう話をしていると

突然雨が降ってきた。

「冷たい!」

「こっちへ!」

土砂降りになったから

スナフキンはミクの手を引いて

ちょうど近くにあった洞穴に入った。

「とりあえずここで雨宿りしよう」

「そうだね」

スナフキンの提案にミクは頷いた。

「…」

だけどその後は沈黙が流れた。

(何か言わないと…)

そう思ったミクだったが

「くしゅん!」

くしゃみが出てしまった。

「ミク…寒いのかい?」

スナフキンは後ろから包み込むように

ミクを抱きしめた。

「スナフキン…」

「こうすれば温かいかな?」

「うん、でも…」

まるで恋人同士のようでミクは照れた。

「なんだか恋人同士みたいだね」

スナフキンはミクが考えていたことと

同じことを言った。

「そ、そうだね」

「そうなるといいなって僕は思っているよ」

「え?」

驚いてミクはスナフキンを見た。

「ミク、ずっと君を見ているよ。

だから君の隠れている所も

すぐに分かっちゃうんだ。

好きだよ」

「スナフキン…私もだよ」

二人が抱きあっていると雨は止んだ。

「スナフキーン!」

「ミクー!」

「ムーミン達だ!」

スナフキンは一度ミクから離れて

「ここだよ!」

と叫んだ。

「ここにいたんだね、スナフキン」

「ミクも一緒なの?

怪しいわー」

「うん、僕達は恋人になったんだ」

ミイのからかいにスナフキンは

嬉しそうにそう言った。


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