理想の母
夕暮れの中
スナフキンは釣りをしていて
ミクはそのそばにいるだけで
幸せだった。
「…ミク」
甘い沈黙を破ったのはスナフキンだった。
「ん?」
「僕はね、小さい頃から旅をしていて
母親の記憶もあまりないんだ…」
「そうなんだ…」
どう言ったらいいのか分からないミクに
スナフキンは笑って
そっとミクの左手を握った。
「でもね、ミクを見ていると
母親ってこんな感じなのかな?
ミクは理想のお母さんなのかな?
って思うんだ」
「スナフキン…!」
ミクは涙を流してしまう。
「ミク!ごめんね!
嫌だったかい?」
「ううん、違うの嬉しいの」
涙をぬぐってからミクは笑った。
それを見て安心したスナフキンは
「愛しているよ、ミク」
と言ってミクを抱きしめた。
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