特別

ミクがスナフキンのテントの近くを

通ろうとした時だった。

「で、スナフキンは

ミクの事をどう思っているの?」

ミイのそんな質問がミクの耳に入った。

スナフキンに片思いをしているミクは

ドキドキしてテントの影に隠れた。

「うーん…そうだな。

言葉にするなら特別かな」

「特別?」

ミイが不思議そうにオウム返しに言った。

「うん。

僕は今まであまり

人や物に執着しないようにしていたんだ。

でもミクは違う。

もっと一緒にいたい、近づきたい

そう思っちゃうんだ」

「つまりミクのことが好きってことね」

「うん、そうだよ。

聞いているんだろう?ミク」

ミイに答えてから

スナフキンはミクの方を見た。

「わかっちゃった?」

「もちろんだよ。

君は僕の特別だからね。

さあ、ミイ。

僕らを二人きりにしてくれないか?」

「はいはい」

ミイはそう言ってムーミン屋敷の方に

走っていった。

「僕の気持ちは伝えたから

ミクの気持ちを聞かせてくれるかな?」

「わ、私も同じだよ。

スナフキンが特別だもん」

そう言ったミクを

スナフキンはふわっと包むように抱きしめた。


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