最終話「春」

ミク達がムーミン谷に到着して数日後。

ミクはムーミンママの好意で

ムーミン屋敷に泊まることになった。

今日はみんなで追いかけっこをしている。

ミクが鬼になったのだが

すぐに全員が捕まってしまう。

「ふふ、全員捕まえたわ」

ミクは得意げに微笑んだ。

「ミク…すごいな」

「とても閉じ込められていたお姫様とは

思えないわ」

息を整えながら

ムーミンとミイがそうミクを褒めた。

ミクはすっかり

みんなと仲良しになっていた。

「ちゃんとお城の中で運動はしていたからね」

「でもスナフキンがお姫様を連れて

南の国から帰ってくるとは思わなかったわ」

「うん、僕もビックリした」

フローレンとスニフもミクにそう言って

微笑んだ。

みんなスナフキンの恋人を見るのは

初めてだった。

「そうでしょうね」

ミクも笑っていると

スナフキンのハーモニカが聞こえた。

スナフキンは追いかけっこに参加せず

近くにある大きな岩の上に座って

みんなを見守っていた。

「ねえ、スナフキンも

追いかけっこしましょうよ」

ミクはスナフキンの近くまで走って

優しく言った。

「そうだな…ミクがキスしてくれたらいいよ」

「え?」

スナフキンの言葉に

ミクはみるみる顔を赤くした。

穴があったら入りたいぐらい

恥ずかしかった。

「聞いちゃったー!」

するとミイがミクのすぐ近くで

大きな声をあげた。

そしてムーミン達の方を慌てて見る。

「ねえ、みんな!

スナフキンとミクがキ…」

「ミイ!」

そこまで言ったミイの口を

ミクは手で優しく包んだ。


HAPPY END


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