第三十八話「到着」

「ここがムーミン谷…!」

おさびし山の頂上で

ミクは感激した。

目の前にはムーミン谷が

広がっている。

溶けかけた雪があちこちにあって

地面は半分ぐらいしか見えなかった。

「南の国に比べたら小さいけれど

とても温かい所だよ」

「うん!早く行きましょう!」

手をつないでスナフキンとミクは

おさびし山を下りて行った。


「ムーミン!起きて」

「やっぱり眠っていたわね」

ムーミン屋敷に入ると

予想通りムーミンはまだ眠っていた。

くすくすとミクは笑った。

「…ん?あれ?スナフキン?」

しかしムーミンはゆっくりと起きた。

寝ぼけた顔で起き上がり

スナフキンとミクを見た。

「スナフキン?こっちの女性は…」

「初めまして、ミクです」

「南の国のお姫様で

駆け落ちした僕の…大切な恋人なんだ」

スナフキンがそう説明すると

「え?!お姫様?駆け落ち?」

ムーミンはとても驚いて

ベッドから転げ落ちた。

「もう、ムーミンったら…」

ミクがまた笑って

スナフキンや転がったムーミンも

釣られたように笑い

三人の笑い声がしばらく部屋に響いた。


to be continued


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