第三十七話「気持ち」

春の日差しが温かい中

スナフキンとミクはムーミン谷に

近づいていた。

「気を付けて」

「ありがとう、スナフキン」

小川を渡る時

スナフキンがミクに手を貸した。

だけどミクには気になることがあった。

(スナフキンはとても優しいわ。

だけど私は贅沢よね。

スナフキンから『好き』と言われていないから

不安になる)

ミクはこっそりため息をついた。

幸せなのに心がチクチクした。


「うん!

明日にはムーミン谷に到着するよ」

「楽しみね」

お昼ご飯を食べて

そんな会話をしたが

やはりミクの心はモヤモヤした。

「ミク?どうしたの?」

スナフキンもその様子に気がついて

心配そうに聞いた。

「え?」

「なんだか悩み事があるような…」

「えっと…」

ミクは悩んだが

スナフキンに正直に話した。

「なんだ、そんなことか」

スナフキンは微笑んでから

座っているミクを背中から抱きしめた。

「スナフキン?」

「好きだよ、ミク。

いや…愛している」

心を込めてスナフキンは言った。

ミクが聞いたことないような

とても甘くて低い声だった。

ミクは嬉しすぎて目頭が熱くなった。


to be continued


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