第二十九話「別々の時間」
バレンタインの翌日。
いつもならミク姫に会いに行く時間だが
スナフキンは一人テントにいた。
「昨日、逃げるべきではなかったかな?
でも…」
横になったスナフキンは
とても苦しそうだった。
スナフキンの視線の先には
テントの入り口から
雲一つない青空が見えた。
その空はミク姫のドレスの色に似ていると
スナフキンは思った。
「はあ…」
こんな時でもミク姫を思い出すスナフキンは
自分でバカだななんて思った。
同じ頃、ミク姫は泣いていた。
昨夜ミク姫は眠れなかった。
枕元には受け取ってもらえなかった
チョコレートがある。
「スナフキン…」
涙をぬぐいながらミク姫は
スナフキンの名前を呼び
ある決意をした。
「そうね、それしかないわ」
ポツリと誰もいない部屋で
ミク姫はつぶやいた。
to be continued
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