第二十四話「君は知らないだろう」

晴れた日の午前中。

もうすぐスナフキンが

ミク姫に会いに行く時間。

スナフキンはテントの前で

一人コーヒーを飲んでいた。

(ミク姫…

君は知らないだろうけれど

会うたびに

君に惹かれていっているんだよ)

コーヒーを飲み切って

空になったマグカップを見ながら

スナフキンはそう思った。

「ふう…」

そっとついたスナフキンのため息は

誰にも聞かれなかった。

(冷静を装って

今日もミク姫に会いに行くかな)

そう思ってスナフキンは立ちあがった。


同じ頃、ミク姫は

ベッドに腰かけて窓の外を見ていた。

(スナフキン…

あなたは知らないでしょう。

あなたが来るようになって

みんなに

「綺麗になったね」

と言われるようになったの。

それはきっと…)

そこまでミク姫が考えていると

スナフキンが窓をノックした。

お互いに感じているのは

「恋の予感」だった。

でも二人はそれを否定しているのだった。


to be continued


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