第二十三話「独占」

その日もスナフキンは

ミク姫の部屋に行き

何事もなかったかのように

テントに戻ろうと歩いた。

歩きながらスナフキンは

ミク姫のことを考えていた。

(いつか兵士にバレるかもしれないな)

そう毎回思う。

(あとひと月くらいで僕はムーミン谷へ帰る。

それまでにこの気持ちを

伝えた方がいいのかな)

考えながらスナフキンは

街を歩いていた。

街中にはミク姫の写真を売る

露店も多くあった。

「やっぱりミク姫は美人だよな」

「そろそろお婿さんを

考える頃じゃないか?」

「お前には関係ないよ」

そんな男性の声が聞こえた。

わはは!と二人は豪快に笑う。

(婿か…もしかして僕は

彼女を独占したいのだろうか?)

そんな考えが

スナフキンの頭の中に浮かんだけれど

首を横に振ってから

スナフキンはテントに戻った。


to be continued


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