第二十二話「仲直りの方法」

「はあ…」

ミク姫は自分の部屋の

テーブルの椅子に座って、ため息をついた。

ため息は今日何度目かわからないぐらいだ。

「どうしたの?ミク」

その時部屋に入ってきたのは

「お母様…」

ミク姫の母親だった。

目元がミク姫に似ている母親は

ニコニコと優しくミク姫に笑いかけた。

それがミク姫をひどく安心させたが

心のしこりがなくなるほどではなかった。

「最近楽しそうよね」

「え?」

「安心して。

お父様はまだ知らないし、誰にも話さないわ。

だから悩みがあったら言ってね」

母親はとても優しくそう言った。

だからミク姫も安心して口を開けた。

「私…

好きな人ができたかもしれないの。

でもその人はきっと

春になったらいなくなっちゃうの。

それでモヤモヤしてしまって

昨日喧嘩になって…」

「…そう」

優しい母親の眉間のしわが寄った。

娘を心から心配しているのだ。

「お母様!

どうしたら仲直りできますか?」

すがるようにミク姫は

母親に聞いた。

「そうね…」

母親は少し考えてから

もう一度ミク姫を見て微笑んだ。

「やっぱり直接言うのが

一番いいと思うわ。

相手の顔をちゃんと見て、ね」

「そ、そうよね。そうする」

ミク姫は決意を固めてうなずいた。

「頑張ってね」

母親が笑った。

「ありがとう、お母様」

ミク姫は初めて味方ができて

とても嬉しかった。

でも翌日

ミク姫はスナフキンに話す勇気は出ず

春がまた近づいていた。


to be continued


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