第七話「言うと思った」

いつもの時間にいつものようにスナフキンは

ミク姫の窓をノックした。

ノックの音を聞いたミク姫は

読んでいる本を閉じて

とても楽しそうに窓に駆け寄った。

ふわりとミク姫のドレスが翻った。

「待っていたわ、スナフキン」

「ふふっ」

ミク姫の言葉にスナフキンは上機嫌だ。

部屋に入ってもスナフキンは

微笑みをやめない。

「どうしたの?」

不思議に思ったミク姫もまた

釣られたように笑顔になった。

「ん?

君はそう言って

僕を出迎えてくれると思ったんだ」

スナフキンは床に降りながらそう言った。

毎日決まった時間に二人は会っていたが

いつの間にかその時間が

とても楽しみになっている二人だった。

「そうなの?

じゃあ明日からはかける言葉を

変えようかしら?」

「ううん。

そのままでいいよ。

僕はその言葉を聞くために

ここに来ているのかもしれない」

スナフキンはミク姫に微笑んだ。

二人の間には不思議な絆があった

それは暖かい南国の風のように

幸せなものだった。


to be continued


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