第六話「あまりがっかりさせないでくれ」

「スナフキン、起きて?」

眠っていたスナフキンは優しい声を聞いた。

そして気がつくと

テントの中でミク姫と二人きりだった。

「ミク姫?!

なんでこんなところに?」

身を起こしながらスナフキンは聞いた。

いつもの青いドレスを着ているミク姫は

ずっとお城にいる筈だった。

狭いテントの中で二人の目が合った。

にっこりとミク姫は笑う。

「もちろん抜け出してきたの。

スナフキンに会いたかったから」

「ミク姫…」

スナフキンは冷静を装っていたが

内心とても嬉しかった。

(誰かと迎える朝って幸せなんだな)

そうスナフキンは初めて思った。

「私ね…

スナフキンに伝えたいことがあったの」

真っすぐにスナフキンを見つめるミク姫は

真剣な表情をしていた。

「伝えたいこと?」

「うん。

私スナフキンのことが…」

ミク姫が言いかけると

周りが明るくなった。

そして

「夢?」

顔に朝日があたって

スナフキンは目が覚めた。

「あまりがっかりさせないでくれ」

テントを出て朝日に向かい

スナフキンはそうつぶやいた。

そしてとてもがっかりしている自分は

少し変わったかもしれないとも思った。


to be continued


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