番外編「響律符(キャパシティコア)」


ヴァンを倒し、また軍人として忙しい日々を

未来もジェイドも送っていた。


そんなある日。

未来の机に小さなメモが置いてあった。

「今夜、港の前のレストランで待っています」

キレイな字で書かれたのはジェイドからだった。

未来の顔がほころんでいく。


「未来、これを」

レストランで食事を終えると

ジェイドは小さな包みをテーブルに置いた。

「え?」

「お忘れですか?

今日はホワイトデーです」

「そうだわ、すっかり忘れてた」

忙しい日々で、未来は意識していなかった。

「貴女らしいです」

ジェイドは微笑み

包みをもう一度差し出す。

「受け取っていいの?」

「もちろんです」

未来が丁寧にラッピングをほどくと

月の形のペンダントが出てきた。

「これは、響律符(キャパシティコア)?」

「ええ、主に攻撃力を高めてくれます」

うなずいたジェイドを見てから

未来はペンダントを首につけた。

「嬉しい。

ちょうど今のが防御を高めるものだから」

「防御はいいのです」

「え?」

意味が分からず未来が驚くと

ジェイドはテーブルにある

未来の右手を握った。

「私が守りますから」

「ジェイド…」

ジェイドの気持ちが

握られた手から伝わってきた。

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