かまっての合図


「ジェイド…」

ジェイドの執務室で

未来はジェイドの軍服の裾を

ぎゅっと掴んだ。

「ふふ、いけない人だ」

未来がこうする時は

かまっての合図だと知っているジェイドは

笑った。

二人が恋仲なのはマルクト軍の人には秘密だった。

「キスだけですよ」

「もちろん!」

未来がうなずいたのを確認してから

ジェイドはキスをした。

「やった!」

嬉しそうな未来に

ジェイドの顔も穏やかな笑顔になる。

「続きは今夜、私の家に来てくださいね」

その約束と言わんばかりに

今度はジェイドは未来の額にキスをした。

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