第五十四話「決戦」


ジェイドの予測通り、ヴァンはそこにいて

オルガンを弾いていた。

「何故おまえがここにいる?」

生まれた意味でヴァンとルークは対立する。

そしてヴァンは、預言は麻薬

それを矯正するには劇薬が必要だと断言した。

「レプリカ世界が劇薬ですか…。

大した妄想力だ」

「人の技術を利用しておいて

ふてぶてしいわ!」

ジェイドはあきれ、未来は怒りを抑えない。

「フ…妄想…ふてぶてしい…それもよかろう」

開き直るヴァンに、ガイ、ナタリア、アニスが

非難をしていく。

「兄さんはレプリカの世界を

作ろうとしているんでしょう?

なら私を殺して

私のレプリカを作ればいいわ」

ティアはロッドを構え

「師匠…いや、ヴァン!

あなたが俺を認めなくても

俺は…俺だ!」

「戯れ事を!消えろ」

ルークもヴァンも剣を抜き

それが戦いの始まりの合図になった。

ヴァンはルークではなく

一番右側にいた未来に斬りかかる。

「お気持ちは変わらないのか?

堕天使未来」

ヴァンはワイヨン鏡窟での返事を

受け取ろうとしているらしい。

「当たり前でしょう?」

ヴァンの大きな剣に

譜術障壁で自分を守り

未来は嗤った。

「私はジェイドと生きます」

「未来!どきなさい!」

断言した未来にジェイドが叫ぶ。

言われた通りに未来が退くと

「消えなさい」

ジェイドの体が光った。

「旋律の戒めよ!

死霊使いの名のもとに具現せよ!

ミスティックゲージ!!」

「くっ!」

ジェイドの秘奥義にヴァンは膝をついた。

「力というものを思い知りなさい!」

誇り高くジェイドは言った。

そして隙ができたヴァンに

ティアの譜歌が動きを鈍らせる。

「うおおお!!」

それを見逃さずルークが

ヴァンに致命傷を与えた。

「失敗作に倒されるとはな…」

ヴァンは崩れそうな体を

剣を床に刺して支えた。

「ふははははは、面白いではないか」

ヴァンはあとずさりをし

そのまま地核へ倒れていった。


to be continued

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