木陰で読書


ジェイドは昼休みに

城の庭で読書をしようと思った。

しかしいつもの木陰には未来がいた。

「おや、先客がいましたか」

ジェイドは笑顔でそう言った。

「あ!大佐!すみません。

お邪魔なら…」

「いえ、二人の方が嬉しいですよ」

ジェイドと未来は二人並んで

読書をすることになった。

ジェイドの右側に未来がいる。

約十分

黙ったまま読んでいた二人だったが

「未来、好きですよ」

沈黙を破ったのはジェイドの告白だった。

「…え?!」

聞き間違いかと未来は思った。

「おや、聞こえませんでしたか?」

「えっと…

まさか好きって言いました?」

「そのまさかです」

ジェイドはそっと未来の右手を握った。

「ではもう一度言いましょう。

貴女が好きです、未来」

「私もです、大佐。

ここにいたら大佐が来るって

知っていたからいたんです」

「また一緒にここで読みましょうね」

ジェイドの言葉に未来は

幸せそうにうなずいた。

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