お願い
悪夢を見た。
夫のジェイドが帰って来ない夢。
夢だと分かっていても辛い。
「未来!未来!」
だけど体が揺さぶられる感覚があって
私は目を覚ました。
「ジェイド…」
「うなされてましたよ」
「…」
私は無言でジェイドにキスをして
たくましいジェイドに抱きついた。
「未来?」
「お願い」
泣きそうな自分の声が情けなかった。
でも止まらなかった。
「ずっと一緒にいて」
多分ジェイドはいつものように
冷静に約束できないとか言うのは分かっていた。
でも言わずにはいられなかった。
「ええ」
するとジェイドは予想に反してうなずいた。
「約束します。
いつまでも貴女のそばにいますよ」
今度はジェイドからキスが始まった。
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