放っておけません
その夜未来は心配事があり眠れなかった。
「ジェイド…」
そっと恋人の名前をささやくと
「呼びましたか?」
と返事が返ってきた。
「え?」
未来が驚くと窓が開いていて
ジェイドが微笑んで座っていた。
「鍵もかけないとは不用心ですね」
「な、なんで?!」
「ご安心ください、夜這いではありません」
「夜這い?!」
パニック寸前な未来とは対照的に
ジェイドはいつもの様子だった。
「冗談ですよ。
今夜は眠れないでしょうから
様子を見に来ました」
「そうなの?」
「ええ、恋人ですからね。
放っておけませんよ」
ジェイドはそう言って未来にキスをして
未来が眠りにつくまでずっと
未来の頭を撫でた。
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