ガールズトーク


その日泊まる宿は大部屋が二つ空いていて

男女で分かれることになった。

「ねえ、ガールズトークしようよ!」

ベッドに入りながらそう言いだしたのは

アニスだった。

「そうね、明日に響かないくらいなら…」

「でもどんな話をしますの?」

ティアとナタリアがそう言うと

アニスはニヤリと笑った。

「アニスちゃんは未来の好きな人が

気になる!

っていうか大佐でしょ!」

「え?」

いきなり言い当てられ未来は焦った。

「ち、ちが…!」

「違くない!

いっつも大佐を見ているじゃん」

慌てて否定する未来に

アニスは断言し

「まあ!」

「気付かなかったわ…」

鈍いナタリアとティアは驚いた。

「わ、わかった…うん、大佐が好き。

でも…」

「想いは告げませんの?」

「だってフラれるだろうし

そしたら次の日から

どうしたらいいのか分からないよ」

ナタリアに未来は不安をぶつけた。

「そんなことないよ。

大佐もいつも未来のこと

気にかけていると思うなー」

「そう?」

「案外うまくいくかもしれないわね」

「きっとそうですわ」

みんなが盛り上がってきた。

「うん。

もし未来が告白したら

私も貴女が好きですよ、未来

とか言いそう」

「そうなら嬉しいけれど…」

アニスがジェイドの声真似をして

未来は嬉しくなった。

こうして夜は更けていった。

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