第十五話B


「ジェイドは私の

大切な人なの」

「大切…それだけか?」

「え?」

ローレライは残念そうだった。

「大切だけでは世界は越えられぬ。

あきらめるがよい」

「待って!ローレライ!」

私は呼び止めたが

ローレライは消えてしまった。

「そんな…!」

最後の望みは消えた。

ただ残っているのは

耳元のピアスと

ジェイドの思い出だけ。

「ジェイド…」

私はこれから

ジェイドとの思い出だけで

生きていけるだろうか?

ううん。

それしかないね。

でも私はジェイドに会えた。

触れることはできないって

思っていたのに。

だからありがとう、ローレライ。

ありがとう、ジェイド。

幸せでした。


NORMAL END

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