第十二話「全部が好き」


天気が良かったから

勉強の気分転換に

私はグランコクマの宮殿の庭へ来た。

一般開放している庭は

とてもきれいだ。

「えー!大佐に恋人ぉ!?」

「そ、そんなに驚かなくても…」

「え?」

その時声が聞こえて

庭の奥を見ると

なんとアニス、ティア、ガイがいた。

しかもアニスは

「大佐に恋人」

と言っていた。

それってもしかしなくても

私の事だよね?

「お!噂をすれば…」

私がどうすればいいか困っていると

ガイと目が合った。

そしてアニスとティアも

私を見る。

間近に見ると二人共

すごくかわいい!!

「ほえ?噂って…」

「あなたが大佐の恋人?」

アニスとティアは

不思議そうにそう聞いた。

「う、うん…一応」

私は恥ずかしかったけど

肯定する。

「ああ。

こちらさんはティアとアニス。

両方俺の友達で

遊びに来てくれたんだ。

そして彼女は未来。

正真正銘ジェイドの恋人だよ」

「は、初めまして!」

ガイに紹介されて

私は緊張しながら挨拶する。

実は初めましてじゃないんだけどな

なんて思いながら。

「よろしくね、未来」

「よろしく〜」

すると二人は笑ってくれた。

アビスファン冥利に尽きる!

「でも大佐が好きって珍しいね」

「そ、そう?」

アニスがそんなことを言って

私は意外だった。

「だって鬼畜眼鏡だよ?」

「あ、アニス!」

アニスの正直な意見に

ティアが焦る。

「そんなことないよ。

ジェイドって意外と優しいし」

「じゃあ!どこが好き〜?」

私が否定すると

今度はアニスがはしゃぎ始めた。

「うーん。

どこだろう?

好きな所ばっかりで分からないよ」

それが私の本心だった。

そう。

私はジェイドの全部が好きなんだ。

カツカツ

その時、背後から足音がした。

それは…


A.ジェイド
B.ピオニー陛下

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