第十一話「例えば明日君が死ぬとしても」


夕方。

ジェイドが左腕をおさえて帰宅した。

「ジェイド?!どうしたの?」

いつもと違う様子に私は驚いた。

「なんでもありませんよ。

ただ…お恥ずかしい話

任務中に負傷してしまいました。

今日は治癒術を使える者がいなくて…」

「見せて!」

私は有無を聞かず

ジェイドの手袋を脱がせ

インナーをまくり上げる。

ジェイドは拒まなかった。

「…!!」

そこには包帯が巻かれていたけれど

白い包帯は

真っ赤な血で染まっていた。

かなり深い傷に違いない。

「ジェイド…」

「未来。

こんなのは日常茶飯事です。

軍人ですからね」

ジェイドは苦笑いして

自室に入っていった。

「軍人…」

そうだ、ジェイドは軍人だ。

最初から知っていたのに

その事実を初めて

まともに感じてしまう。

いくら死霊使いとは言え

死ぬかもしれない仕事なんだ!

「じぇい、ど…」

気がついたら私は泣いていた。

そして…


A.ジェイドの部屋を訪ねる
B.薬を買いに行く

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