第十話「私達の愛の邪魔をするなら」


今日はジェイドもピオニー陛下も

休日だ。

私はジェイドと一緒に

陛下に呼ばれて

陛下の私室にやって来た。

「ああ、やっと来たな」

「こんにちは、未来」

「こ、こんにちは」

そこにはもちろん陛下と

ブウサギの世話をする

ガイがいた。

ガイの挨拶と笑顔!

朝から目と耳が幸せだ。

「お呼びですか?陛下」

「いや、お前じゃなく

未来に用事だ」

「え?私にですか?」

てっきりジェイドに用事があると

思っていたから驚いた。

「そうだ。

わかりやすい文字の教本を

手に入れたからな。

君にぴったりだと思ったんだ」

そう言って陛下は

本を私にくれた。

「陛下…ありがとうございます!」

「いや、礼にはおよばない」

にっこりと私と陛下は笑いあう。

「では陛下。私達はこれで」

後ろにいたジェイドが

咳払いをした。

「何言ってるんだ。

未来は今日はここで過ごせ」

「え?ここでですか?」

予想外の陛下の言葉に

私は慌てた。

「そうさ。

たまにはジェイドじゃなく

俺達と過ごそう」

そう言いながらガイも私に歩み寄る。

…一定の距離をおいて。

本当に女性恐怖症

治らないんだな〜。

「ガイラルディアは

未来に触れられないだろ?

俺が未来を独占できる」

陛下はなんと私を

後ろから抱きしめた。

えーーーー!

待って?

ジェイドがこっち見てるのに!

「触れるだけが

スキンシップではありません。

未来は私と色々…」

い、色々ぉ?!

何なんだ、ガイ。

その妄想をかきたてる

発言は。

すると背後から

わずかな音がした。

これは譜陣を広げる音?

「じぇ、ジェイド!」

それはジェイドの仕業で

「お二人共。

私達の愛の邪魔をするなら

容赦はしませんよ?」

譜陣の風に髪を揺らしながら

ジェイドは宣言する!

「ま、待て!ジェイド!」

「旋律の戒めよ!

死霊使いの名のもとに…」

陛下とガイが焦ると

ジェイドは詠唱を始めてしまった。

「ジェイド!」

叫んだ私は…


A.ジェイドを止める
B.陛下とガイを避難させる


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