第七話「世界は平和に呑まれてゆく」


今日はジェイドが執務で忙しく

私も一緒に手伝うことになった。

とは言え、私はまだ

文字の読み書きができないので

出来ることは少ないけれど。

「平和条約を結んでも

軍は忙しいんだね」

書類の整理を終えて

私はぽつりとつぶやいた。

私が来た世界はどうやら

エルドラントの戦いが終わり

ルークが帰って来る前のようだ。

「そうですね。

戦争だけが軍人の仕事では

ないですから」

「そうだな。

むしろ俺は忙しくなったぜ」

ジェイドとそれから何故か

ピオニー陛下の声がした。

「へ、陛下!いつの間に…」

私は当然驚いた。

「未来が健気に

ジェイドの手伝いをしている時だ。

いちゃついている時じゃなくて

安心しただろ?」

「そのようなことは

ここではしません」

ジェイドは咳払いをする。

「ほう。

『ここでは』とは…」

「陛下!陛下!」

陛下が言いかけた時

ドアを強くノックする音と

ガイの声が聞こえた。

「げ!まずい」

「もしかして

お仕事をさぼってきたのですか?」

「人聞きが悪いな、未来。

気分転換だ」

陛下はきっぱりと私に言ったけど

ガイの慌てようでは

さぼったに違いない。

「ジェイド!開けてくれ!

陛下が秘密通路から

ここに来ていることは

わかってるんだ」

なおもガイはノックをしている。

「未来。

私は手が離せませんので

かわりにドアを

開けていただけませんか?」

「だ、だめだぞ、未来」

ジェイドと陛下に同時に言われ

私は…



A.ドアを開ける
B.ドア越しに陛下はいないと言う


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