第四話「初めての喧嘩」


「ジェイド!お願い!」

「ダメです」

私は働きたいことを

ジェイドに打ち明けたけど

思い切り反対された。

心、折れそうだよ。

「どうして?」

「今の貴女はこの世界に慣れていません。

特に文字が書けないでしょう?

苦労するだけです」

「そうだけど…でも…」

「貴女は

ここにいてくださればいいのです」

ジェイドの言葉に

私はショックを受けた。

「そんなの嫌!

ジェイドのいじわる!」

私はそう叫ぶと

ジェイドの屋敷を飛び出した。


街中を泣きながら走った。

できるだけ遠くに行きたかった。

しかし闇雲に走り

私はいつの間にか

知らない路地裏に迷い込んでしまった。

そこは私が知っている

きらびやかな街とは打って変わり

暗い顔をした人達が

うずくまっている。

「おい…ねえちゃん」

そして一人の男性が

話しかけてきた。

怖い。

全身に鳥肌が立つ。

「未来!」

そこに響いたのは

ジェイドの声だった。


「うっぐ…」

屋敷に強制的に戻り

私はジェイドの腕の中で泣いた。

ジェイドは優しく

私の背中を撫でてくれる。

「これで分かったでしょう?

この世界は貴女の世界とは違い

とても危険な所があります」

私は黙ってうなずいた。

「私の言い方が誤解を生み

本当に申し訳ありません。

しかし貴女には

安全な場所にいてほしいのです」

「ジェイド…」



A.「ごめんなさい」
B.「助けてくれてありがとう」


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