最終話「告白」


ジェイドとの生活が始まって

半月を迎えた。

そろそろ有休がなくなるな…

と思っていた時

リビングが突然

強い光に包まれた。

「な、なに?!」

「未来!」

突然の出来事に私は驚くしかなく

そんな私をジェイドは

守るように抱きしめてくれた。

「ほう。

どこに行ったかと思えば

女といちゃついてるとはな」

「その声は…」

聞きなれた声がした。

それもアビスの世界で。

「陛下?!」

そう、ピオニー陛下だった。

「迎えに来てやったぜ、ジェイド」

「でも…どうやってですか?」

初めて話す皇帝に私は緊張した。

「実はディストが

ジェイドが飛ばされた世界を見つけ

第七音素士を二人集めて

超振動を起こして

ここまで来たんだ」

「ディストが…

珍しく役に立ちましたね」

ジェイドはメガネを押さえながら言った。

「ちゃんと礼を言っておけよ?

さてと時間が限られている。

すぐに出発しないと

オールドラントへ戻る音機関が

使えなくなる」

「すぐに…」

「わかりました」

ジェイドがピオニー陛下に近づいた。

『行かないで』

私はその一言が言えなかった。

でもジェイドは振り返って私を見た。

「ジェイド…」

「未来

私とオールドラントへ行きませんか?」

「え?」

突然の提案に私は驚いた。

「貴女と離れたくない。

貴女の事が好きだからです」

「ジェイド!」

「おいおい、こんな場面で告白か?」

ピオニー陛下も驚いたみたいだ。

「こんな場面だからこそです」

ジェイドが今度は

私に歩み寄った。

「愛してます。

このまま連れ去ってしまいたいほど」

「ジェイド…私…」



A.「連れてって」
B.「行けないよ」


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