番外編「惑星譜術〜後編〜」


瀕死のネビリムは

音素の乖離を癒すために

触媒を設置した譜陣へと向かった。

「惑星譜陣で癒さなければ」

「惑星譜陣?」

未来はネビリムの言葉が

引っかかる。

「ジェイド!

もしかしてあれが

惑星譜術の…!」

「試してみます!」

ジェイドは詠唱を始めた。

「母なる大地よ。

その力を我に与えたまえ。

天の禍、地の嘆き

あらゆる咎を送らんがため

今断罪の剣が振り下ろされる。

滅せよ!」

ジェイドの詠唱が終わると

惑星譜陣から光があふれ

ネビリムのレプリカは

焼き尽くされた。

強力な譜術だったが

譜陣が書き足されていたため

本来の力の半分も

出なかったらしい。

「ジェイド…あのさ…」

ルークが心配そうにジェイドに話しかけたが

「私は大丈夫ですよ。

あなたに心配されるなんて…

私も焼きが回ったようだ」

ジェイドは自虐した。

「ジェイド…無理しないで」

「ありがとう、未来」

今度はにこりとジェイドが笑った。

先ほどネビリムに攻撃された

ディストだったが

生きていて

置き去りにすることになった。

ジェイドはピオニー陛下への報告の時

全てを話すと約束した。


「そうか…

ようやく決着がついたか」

グランコクマの私室で

ピオニー陛下が複雑な顔をした。

そしてジェイドは

ネビリムのレプリカが

生まれた経緯を説明した。

「ふう…」

話し終えたジェイドはため息をつき

「ジェイドはすごく後悔してるんだ。

ジェイドを責めないでくれ!」

「私からもお願いするわ」

「ルーク…未来…」

二人の願いは

ジェイドを救っただろう。

「バーカ!そんなことするかよ」

「そうですわ。

話してくださって

ありがとうございます」

ガイもナタリアも

全員がジェイドに笑顔を贈った。


ディストは雪山から追いかけてきた。

「ディスト。

マルクト軍国家情報法

第一条第三項違反で

あなたを逮捕します。確保!」

城の前で身柄を拘束される。

「悪いわね、ディスト」

未来がそう言いながら

ディストの手を縛った。

「おや、未来。

ディストに同情するのですか?

妬けますね」

「あなたは私の親友でしょう?」

「誰が?誰の?」

ジェイドはとぼけた。



END

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