番外編「巡り会えない二人」
旅が始まる二年前のある日。
ジェイドの視線の先に
美しい銀髪をなびかせる女性がいた。
「あれは…」
「どうかしましたか?カーティス大佐」
ジェイドが彼女に魅入っていると
一緒に歩いていた兵士に声をかけられた。
「いや…ちょっと、な」
「ああ。
もしかして、あそこにいる
未来中佐のことですか?」
「未来中佐…彼女が堕天使未来か…」
「美しいですよね〜。
美人で頭が冴えて、部下想いとも聞いてます。
カーティス大佐も…」
ジェイドが未来の名をつぶやくと
兵士は嬉しそうに話し始めた。
「今は作戦会議室に向かっているだろう?」
「あ、はい!失礼しました」
そんな彼を一瞥し、ジェイドは再び歩き始めた。
「未来中佐?いかがされましたか?」
「いえ…視線を感じて…。
でも気のせいみたい」
未来も部下にそんなことを言った。
二人が巡り合うのは、まだ先の話だ。
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