■第一話「太陽の花」

王国のお妃が重い病気になった。 

国中の人が探して「太陽の花」と呼ばれる

奇跡の花を見つけた。

それを薬にして飲んだおかげで

お妃は助かり

やがて元気な女の子が産まれた。

「なんてかわいい…」

「未来と名付けましょう」

王様もお妃も未来をとてもかわいがった。

しかし未来の髪には秘められた力があった。

それを狙った魔女ゴーテルが

未来をさらって森の奥にある塔に閉じ込めた。

それから十年以上の月日が経った。


「…」

お城の屋根にたどり着いた青年は

何かを考えるように黙っていた。

その青年はグレーに紫と黒の模様が入った

きっちりとした服を着ている。

「セイ、分かっているよな?

ティアラを盗まないとお袋さんは…」

「わかっているさ」

セイと呼ばれた青年は

強面な仲間二人にきっぱりと言った。

セイは慣れた動きでティアラを盗み

仲間と共に森へ逃げた。

衛兵がセイ達を追ってきて

セイは塔があるのに気がついた。

(なんだろう?

俺を呼んでいる気がする)

セイはそう思って塔の壁を上り始めた。


to be continued