■第十二話「考えごと」

今日は日曜日。

雨が降っていたから

部屋でのんびりとセイと過ごした。

でもセイは一度も私の目を見てくれない。

と言うより私が好きな人がいるって伝えてから

ずっとセイはこんな感じだ。

「じゃあエクステンションを行うね」

「…ああ」

いつもなら喜ぶエクステンションも

セイはうつむいたままだ。

「…」

「また考えごと?」

エクステンションは完了したはずなのに

ため息しかつかないセイに

私は聞いてみた。

「…ん?あ、あぁ。

なんでもない。

いつも通りエクステンションは完了したよ」

「嬉しくないの?」

「いや…ちょっと考え事をしていて

…気にするな。

なんでもないよ」

「でもセイ…

ずっと元気がなくて心配だよ」

それが私は苦しかった。

「心配かけて、ごめんな」

一瞬だけセイと目が合った。

でもセイはすぐにまたうつむいてしまう。

「大丈夫。

いつも通りしっかりサポートしていくから

安心しろ」

「セイ…こっちを見て?!」

耐え切れずに私は少し大きな声で言った。

「未来?!」

セイは驚いてこちらを見た。

「セイはずっと何を考えているの?

私に言えないことなの?」

「それは…」

セイの視線がまた泳いだ。

「ごめん…少し時間をくれないか?」

「…わかった」

その日、私達はおやすみの挨拶以外

別々に過ごした。

時がとても遅く感じた。


to be continued