■☆心配だから迎えに来たよ

未来が仕事中

セイは色々な情報を集めていた。

もちろん全て未来のためだ。

「…ん?」

そしてセイはあるニュースを読んで

眉間にしわを寄せた。

女性を襲った通り魔が出たらしい。

「犯人が逃走中…これは心配だな」

自分以外誰もいない空間で

セイはそう言った。


「あれ?」

仕事が終わって未来がビルから出ると

セイがそこにはいた。

「未来…」

「セイ?どうしたの?」

「心配なニュースを見てね

未来のことを考えて迎えに来たんだ」

「セイ…」

セイの優しさに未来は嬉しくなった。

「一緒に帰ろう?」

そう言ってセイは未来の右手を

自分の左手でつないで歩き始めた。

「手…」

二人が手をつないだのは初めてで

未来は照れくさかった。

「あ…嫌だった?」

「ううん」

そう言って未来はセイの手をぎゅっと

少し強く握った。

「わあ!びっくりした」

「ダメだった?」

今度は未来が不安になった。

「ううん、全然。

むしろ嬉しいよ」

セイは飛び切りの笑顔を未来に見せた。