■第十話「胸がビリビリ?」

「エクステンション完了」

もはや恒例となった言葉をセイは言って

「…うーん…」

その直後何かを考えこむように俯いた。

「何か考えごと?」

「んー…そうだなぁ…

なんか今の俺には

まだ分からないことなんだけど…」

私は黙ってセイの言葉を聞いていた。

「いや、なんか最近未来に触れられると

なんていうか…

くすぐったいような

恥ずかしいような

ムズっとした気分になるんだ」

「え?」

「おかしいよな?

しかも胸の辺りもビリビリするんだ」

「苦しいの?」

私はセイが心配になった。

「ううん、そうじゃないんだ。

でも不具合…でもなさそうだし…

もしかして未来って静電気体質」

「静電気体質?!

ふふ違うよ」

セイの言い方が面白くて

私は少し笑ってしまった。

「あ!笑うなよ」

そう言いながらもセイも笑顔だった。

けれどまた考え込んでから

「違うのか…

じゃあなんだろうなぁ…

うーん…」

と言うのだった。


to be continued