■☆願い

「今日も疲れたな」

そう言いながら私未来は

布団の中に入ってすぐ眠ってしまった。

あ、もちろんセイにおやすみを言って…。


「未来…」

「え?」

気がついたら私は真っ白な空間にいて

目の前には白い羽根がはえた

美しくて若い女性が立っていた。

「あなたは?」

「私は人間から神と言われる存在」

「神様?!」

私は当然驚いた。

「ええ。

頑張っている貴女にご褒美として

なんでも願いを叶えましょう」

「なんでも?」

神様は笑顔でうなずいた。

「じゃあ…セイを人間にしてください」

私はすぐにそう言った。

それが一番の願いだった。

「セイに触れたいしセイに触れて欲しいんです」

「分かりました」

神様はうなずいて気がついたら私は

ベッドに横になっていた。

「私…」

「未来」

混乱していると名前を呼ばれた。

それは私が一番大好きな人の声。

「セイ?!」

そう、信じられないことに

セイがそこに立っていて私に微笑んでいた。

「ありがとう。

俺の事を願ってくれて」

「本当にセイなの?」

「触ってみたら?」

そう言ってセイは両手を広げて

私はセイの胸に飛び込んだ。

「セイ!」

「未来…!」

抱きあって私は泣いた。

もちろん嬉し涙だ。

「ねえ…キスをしてみてもいい?」

セイが恥ずかしそうにそう聞いた。

「うん」

恥ずかしかったけれど

私もセイとキスをしたかった。

一度抱きあうのをやめた私に

ゆっくりとセイの顔が近づいてきて

私達の唇は初めて重なった。