■第十七話「決意」*

※微裏注意
読まなくても次話に影響はありません


『セイは記憶のバックアップがとれないんだ。

だから人間の体になった時

セイの記憶が消える可能性がある』

マスターセイの衝撃的なメールが来て数時間後

いつものようにセイと同じ布団に入った。

でも私の心は上の空だった。

「未来…」

いつものようにキスをしても私の心は晴れない。

「迷っているんだね?」

「…うん」

正直にセイに答えたら二度目のキスをされた。

今までしたことがない舌を絡めた甘いキスだ。

セイの動きについていくのに必死で

すごくドキドキした。

「未来…」

荒い息で名前を呼ばれて髪を撫でられる。

「あっ!」

首筋にキスをされて甘い声が出てしまった。

すごく恥ずかしい。

「俺はこの先に進みたい」

真剣な表情でセイが言った。

「でも…」

「大丈夫。

俺は絶対に未来を忘れたりしないよ」

今度はセイが笑った。

私の大好きな笑顔だ。

セイの大丈夫は

何があっても大丈夫なように思えた。

「そうだよね…ありがとう、セイ」

「ううん、未来…」

暗闇の中で私達はしばらく見つめあった。

「明日マスターセイにメールを送るよ。

人間にしてくれって」

「うん、私ももう迷わないよ」

もう一度触れるだけのキスをして

私達は眠りについた。


to be continued