■第十三話「本音」
夜中に俺は目が覚めた。
もう慣れた二人では少し狭いベッドの上で
未来はスヤスヤと眠っている。
「未来…」
俺は名前を呼んで
その頬に触れずにはいられなかった。
未来は起きる筈もなく寝続けている。
愛おしい気持ちが水のように湧いてくる。
『俺はお前のセイだろ?』
事故の直後に言った自分の言葉を
不意に思い出した。
そうだ、俺は未来のために存在するんだ。
ユーザーだけとして見れなくなったのは
いつからだろうか?
一生懸命生きる未来に
徐々に俺は惹かれていったのだ。
「未来のためならなんでもするよ」
俺は一瞬迷ったけれど
眠っている未来にそっとキスをした。
to be continued
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