第二十話


「ここは…人間界?」

見慣れた場所にいきなり飛ばされて

未来は不思議な気持ちになった。

「あれはもしかして…!」

シンはいきなり空を指さした。

「イツキ!」

「イツキなの?姿が…」

「おそらくあの少年と

紫炎の心が融合した

新たな存在!」

シンと未来に答えるように

閻魔大王が言った。

「う…」

「大王様!まだ痛みますか?」

しかし閻魔大王はまだ傷が完治してなく

すぐにぬらりが治癒術をかけ始めた。

「私も手伝います!」

何かしたかった未来は

そう言って閻魔大王の傷口に

手をかざした。

治癒術を使うのは初めてだったが

どうするかは何故かわかった。

「しかし…」

ぬらりは何かを言いかけてやめた。

未来の手から緑色の優しい光が出て

閻魔大王の顔が少し穏やかになったのだ。

「では私も…」

ぬらりも治癒術を再開する。

(イツキも戦ってるんだから

私も頑張らなくちゃ)

夜叉エンマとなったイツキの戦闘の音を聞きながら

未来は意識を手に集中させた。

どれくらい時間が経っただろうか。

「未来よ、もう大丈夫だ。

ありがとう。

それより、みなの所へ…」

「私からも礼を言うぞ」

「はい!」

閻魔大王とぬらりに見守られて

未来は戦いの激しい中へ

なんの恐怖もなく走っていった。


to be continued







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