第十九話


「イツキ…」

祈るような気持ちで未来は

イツキがいるはずの怪物を見た。

(最後まで投げんな)

イツキの声が聞こえてきそうだった。

「大丈夫だよ、未来」

「そうだよ、約束したもん!」

そんな未来をタエとシンが励ました。

しかし怪物に変化が起きた。

怪物は液状化し

空高く昇っていった。

「失敗か」

ぬらりが言う。

「そんな!」

「嘘でしょ…」

タエと未来は信じられなかった。

しかし怪物は目玉が大きい妖怪へと

変化した。

「遂に私は存在を取り戻した」

「あれは空亡。

紫炎様の暴走の正体は

空亡だったのか!」

空亡に応えるように

ぬらりがつぶやいた。

「イツキはどうなったの?」

タエもつぶやき

「イツキ!」

「戻ってきて!」

シンと未来は叫んだ。

しかし空亡が何かをしようとして

「フン!」

ぬらりが空亡と屋敷を

人間界へ移動させた。


to be continued







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