最終話「君だけを」


「未来様〜」

「ぬらりひょん議長

笑ってください」

「お幸せに!」

今日は未来とぬらりの結婚式だった。

未来は真っ白なドレスを着て

背中の羽根も合わさって

とてもきれいだった。

無事に式が終わり

みんなから花びらを浴びせてもらう。

エンマ大王と春日

そして、この日のために

妖魔界へきてくれたケータ達。

その他の妖怪もお祝いに駆けつけてくれて

すごい数の参列者となった。

「幸せだね」

「そうだな。

みんな祝ってくれている」

未来の幸せそうな顔を見て

ぬらりもこたえるように微笑んだ。

そして突然

ぬらりは未来にキスをした。



わーっと歓声が起きた。


そして、その日の夜。

未来たちは新しい部屋を

エンマ大王からもらっていた。

「ここで、今日から私たち暮らすんだね」

「ああ。仕事は変わらないけどな」

照れくさそうに二人は言った。

「未来…」

「はい?」

真剣な表情になり

二人は見つめあう。

そして自然と抱き合った。

「未来、大好きだ。

未来だけを愛しぬくと誓う」

「ぬらり…」

耳元で囁かれた甘い言葉に

未来は溶けてしまいそうだった。

ぬらりは抱きしめていた腕を解き

未来の両肩に手を置いた。

「愛している」

未来をみつめながら、ぬらりは

生まれて初めてその言葉を口にした。

これまで、いろいろなことがあった。

しかし二人はずっと一緒にいて

これからも

ずっとずっと一緒だろう。

「ぬらり、私も愛してるよ」

未来は初めて自分からキスをした。


妖しだとしても 第二章 完







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