第十八話


「よく分かんねえけど反撃だ!」

「うん!やろう、イツキ!」

イツキと未来は

キッと紫炎をにらんだ。

(たとえ私の魂はどうなっても

サチとシンのお母さんの魂は

取り戻したい)

歩きながら未来はそう思った。

紫炎は大きくなった刀で

イツキを斬ろうとする。

しかし何者かが跳ね返した。

「力に溺れる愚か者!」

イツキを守る

賢神アマテラスだった。

イツキは言われた通りに

アマテラスの力を解放した。

さらに猫又、河童、座敷童子も

イツキが手に入れたエルダで

進化をした。

遂に紫炎は追いつめられる。

しかし紫炎の体に変化が起きた。

「き、気持ち悪い」

思わず未来はそうつぶやいた。

紫炎は人間とは思えない形状になった。

紫炎の攻撃により猫又達の姿は元に戻り

「すまぬ、イツキ」

アマテラスも消えてしまった。

「なんということだ!」

「もはやあいつは紫炎ではない」

それまで閻魔大王の傷を癒していたぬらりと

閻魔大王が立ち上がった。

「このままでは妖魔界そのものを

消滅させてしまう」

「どうしたらいいの?」

「何か方法はありますか?」

閻魔大王の言葉に

タエと未来が聞いた。

「紫炎様の中の良き心を

呼び覚ますことができれば

あるいは…」

紫炎だった者を見てぬらりが言った。

しかし妖怪では無理らしい。

「大王よ。

俺をあの怪物の中に

送り込んでくれ」

イツキは決意した。

しかし

「そんなのダメだ!」

「何言ってるの、イツキ!」

シンとタエは反対した。

「なら私も行く!」

そして未来はそう言ったが

「お前はそんなことしなくていい。

これは俺一人で十分だ」

イツキは笑うだけだった。

そしてシンとタエを説得し

イツキは閻魔大王の力を借り

紫炎だった者の中に入っていった。

「イツキ…!」

泣きそうになるのを

未来は堪えた。


to be continued







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