第一話


数日後。

高城邸から少し離れたところにある橋で

少年が飛び降りようとしていた。

「死んでも母ちゃんには

会えないぜ」

それを止めたのはイツキだった。

イツキは少年に諭すが

少年は受け入れようとしない。

「ごめんね、君。

驚かせちゃったかな?」

「なんなんだ、君たちは?」

「俺はイツキ。

こっちは友達の未来だ」

イツキは少年と無理矢理握手をする。

「じゃあ、私も!

よろしくね!

えっと…」

「シンだ」

「シン!よろしく!」

未来も笑顔で握手をした。

その元気が伝線したように

シンも笑顔になった。

「それより俺達と一緒に犯人探さないか?」

「犯人?」

イツキの突然の提案に

シンは不思議そうな顔をした。

「サチ…イツキのお姉さんだね。

そしてあなたのお母さんを殺した

犯人だよ」

「え?でも母ちゃんは車に…」

未来の説明にシンはますます驚いた。

「仕組まれていたのさ。

全ては妖怪の仕業だ」

淡々としたイツキの説明に

未来もうなずいた。


「そいつは証拠を残さない」

場所を変えて橋の下で

イツキは説明を続けた。

(イツキ…大丈夫かな?)

サチを殺した犯人を恨んでいるイツキは

悔しそうに握りこぶしを握っていた。

未来は見守ることしかできない。

(あれ?)

不意に未来は近くに女の子がいるのに

気がついた。

「誰だ?出てこい」

イツキも気がついて声をかける。

「あの…教えようと思って…」

タエと名乗った女の子は

どうやら霊や妖怪が見えるらしい。

「すごいね!タエ!」

「そ、それほどでもないよ」

未来が感激するとタエは照れ笑いをした。

こうして不思議な縁で

四人の子供が集結した。


to be continued







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