第六話「深い森の中で」


未来達は遂に

宝珠があると言われる深い森の入り口に

到着した。

「伝承によれはここから先は

愛し合う二人しか通れないはずです」

「俺達なら大丈夫だ」

「エンマ…」

ぬらりひょんの説明にエンマ大王は

力強くうなずいた。

「ご無事をお祈りしております」

深々と頭を下げたぬらりひょんに見送られ

未来とエンマ大王は

森へと足を踏み入れた。


「ここから先は更に暗いな」

しばらく歩いていると

エンマ大王が未来の手を握った。

「でも戦うことになったら…」

「その時は片手で十分だ。

安心しろ」

エンマ大王は笑うだけだった。

「…わかった」

つられて未来も笑顔になる。


何時間も歩いた後。

急に開けた場所に出た。

小さな泉があり

その前には大きなテーブルのような岩があった。

よく見ると岩にはピンク色の小瓶が

置かれていた。

「…なんだと?!」

先に調べたエンマ大王が絶句した。

未来も瓶を見ると

瓶の前にはこう書かれていた。

『宝珠を求めるのなら

この毒を飲みなさい

二人のうちのどちらか一人の命と引き換えに

宝珠をあげましょう』

「そんな…」

未来は呆然と立つことしかできなかったが

「…」

エンマ大王は黙って

瓶を手に持った。

「エンマ!」

「俺が飲む。

お前は生きろ、未来」

「ダメ!」

未来は瓶を取り上げようとした。

「どちらか死ななきゃならないなら

俺でいいだろ?」

「嫌だよ、エンマ!」

泣きじゃくる未来を

エンマ大王は急に抱きしめた。

「お前に出会えて、よかった」

エンマ大王はそう言うと

未来を突き飛ばし

瓶に入った毒を全て飲んだ。


to be continued







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