第二十八話「疲れてるはずなのに」


未来が仕事をしていると

廊下が騒がしくなった。

(何かあったのかな?)

そう思い未来がふすまを開けると

ちょうど春日がいた。

「春日、どうしたの?」

「ああ、未来様!

それが急にお客様が来て…」

春日は珍しく慌てていた。

「大変だね。

手伝おうか?」

「いえ、大丈夫です。

それでは…」

春日は慌ただしく去って行った。

「悪いことしちゃったかな?

ぬらりも忙しんだろうな」

未来の独り言が廊下に響いた。


ぬらりの帰宅は

いつもより一刻遅かった。

「おかえりなさい、ぬらり。

大変だったみたいんだね」

「ああ…さすがに疲れたな」

しかしぬらりは玄関で未来を抱きしめた。

「ぬらり?」

「…落ち着く」

しばらく未来を抱きしめたぬらりだったが

ふいに未来を抱き上げた。

いわゆるお姫様抱っこだ。

「ちょっとぬらり!

疲れてるんじゃ…」

未来の顔は瞬時に赤くなる。

「ダメか?」

対照的にぬらりは冷静だった。

「そうじゃないけど…」

二人はいつも以上に甘い夜を過ごすのだった。


to be continued







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