第二十六話「マイホーム」


日曜日。

未来とぬらりは買い物へ出かけた。

帰り道でトンカチの音が聞こえ

ふと未来が見ると

一軒家が建とうとしていた。

「素敵な家…」

「こんな家に住みたいか?」

未来の隣にいたぬらりが微笑む。

「うーん…ちょっと大きいかな」

その家は三階建てだった。

「そうか。

私は大家族でも嬉しいが」

「大家族か〜。

それも楽しそう!

女の子も男の子もいて」

いつしか二人は家の前で

そんな空想を始めた。

「庭も大きくしないとな。

そこで食事なんか楽しそうだ」

「それは絶対楽しいね」

想像しただけで未来の顔はにやけた。

「もちろん未来の負担はかけさせないさ」

「頼りにしているね、パパ!」

未来達が微笑んだ時

「よ!ラブラブだね〜」

作業中の大工がそうからかった。

「そ、そんなんじゃ…」

聞こえているとは思わなかった未来とぬらりは

慌てた。

「コホン。

ではそろそろ帰ろうか」

ぬらりは照れ隠しのために咳払いをして

珍しく自分から手をつないだ。

「そうだね!

ぬらりはエンマ大王のそばじゃないと

安心して眠れないかもしれないし」

「そうだな」

二人はそう言いながら歩き始めた。


to be continued







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