第二十一話「大事なアイス」


ぬらりが目を覚ますと

未来は背中を向けていた。

(いつもはかわいい寝顔を

見せてくれるのだが…)

そう思いつつもぬらりは

「まだ怒っているのか?」

優しく声をかけた。

「…別に」

対して未来はすねていた。

「すまなかったと言っているではないか」

そう言いながらぬらりは昨夜を思い出した。

ぬらりは未来のアイスクリームを

食べてしまったのだ。

しかもそれはコマさんからもらった

特別なアイスクリームだったのだ。

「…はあ」

ぬらりはため息をつくと

強引に未来の顔を自分に向かせた。

そして

「んっ!」

思わず未来が声を出すほど

深いキスをした。

最初は暴れた未来だったが

徐々にキスに酔い、動きを止めた。

「ぬらり…」

「私は朝食の支度をしてくる。

もう少ししたら起きてこい」

そう言い残してぬらりはベッドを出た。


その日の執務室。

「ぬらり、アイスが原因でケンカしたって?」

「耳が早いですね、大王様」

面白そうだと顔に書いてあるエンマ大王に

ぬらりは苦笑した。

「まあ…な。

にしてもバカップルならぬバカ夫婦だな」

エンマ大王は笑った。



to be continued







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