第十七話「泣かないで」


暗黒神エンマと名乗った侵入者は

エンマ大王が退けた。

「ぬらり…」

未来は夫の名をつぶやいた。

エンマ大王により医務室へ運ばれたぬらりは

意識が戻らない。

「お願い…!」

未来は祈りながら治癒術を使う。

「未来!」

エンマ大王は静止の意志をこめて

未来を呼ぶ。

大量の妖力を使い

今度は未来が倒れた。


「あれ?」

未来が意識を取り戻すと

エンマ大王とぬらりの顔が

目に飛び込んできた。

「気がついたか?」

ぬらりが優しく声をかけ

未来はベッドから起き上がった。

「うん。

そうだ!私…ぬらりを癒していて…」

「私の全回復と同時に君が倒れた」

未来を見つめながら

ぬらりが説明をする。

「まったく二人共、無理をしすぎだ。

よく似た夫婦だな」

そう言ったエンマ大王は

気を使い、医務室を出た。

「未来…

あれほど無理をするなと言ったのに…」

「でもぬらりが消えちゃうと思って…

私…私…」

ぽろぽろと未来は涙を流した。

「すまない、泣かないでくれ」

そんな泣き虫な未来を

ぬらりはそっと抱きしめた。

(愛しくてたまらない)

そうぬらりは想った。


to be continued







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