第十六話「侵入者」


それは深夜の出来事だった。

カンカンカン!!

けたたましく鐘の音が

辺りに響いた。

「なに?」

ぬらりに寄り添うように寝ていた未来は

ただ驚き

「侵入者の合図だ」

ぬらりは素早く着物を着た。

「未来はここにいてくれ」

「なんで?」

一人で行こうとするぬらりに

未来は聞いた。

「危険な場所に妻を行かせたくない」

「でも!

私だって何か出来るかもしれないし

ぬらりのそばにいたいよ」

未来も急いで着物を着た。

「未来…分かった。

私のそばから離れるなよ」

「うん!」

未来はぬらりと手をつなぎ

走り始めた。


二人が駆け付けたのは

エンマ大王の私室だった。

「大王様!」

そこでエンマ大王は

何者かと剣を交えていた。

その者は禍々しい妖気をまとっていたが

どこか顔立ちはエンマ大王に似ている。

「来るな!ぬらり!」

エンマ大王は制したが

ぬらりは杖を構えた。

「大王様から離れろ!」

「邪魔だ」

しかし攻撃されたのは

ぬらりだった。

「ぐっ!!」

雷のような電撃に包まれ

一瞬でぬらりは倒れた。

「ぬらり!」

未来は慌てて駆け付けたが

ぬらりの意識はなかった。


to be continued







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